運転免許センター~後編~

その時点で自動車学校に行かなくなってから半年以上経過していました。

ただでさえクラッチの加減が掴めずにエンストばかりしていた私にとってマニュアル

での受験は無理だと思い、AT車での合格を目指しました。

 

当然、試験に向けて路上で実際に車を運転して練習をするというわけには

いかなかったので、教習本を読んでイメージトレーニングあるのみでした。

しかし、車庫入れやクランクなどはどのタイミングでどのくらいハンドルを切れば

良いのか、すっかり忘却の彼方にあったのでカンに頼るしかありませんでした。

受験料は1回5000円くらいだったかも知れませんが、何回かは感覚を取り戻す

ためと、もったないけど最初から割り切って臨みました。

 

初めての検定のとき、もしかしたらAT車だし、なんとかなるかな?と淡い期待も

ありましたが、スタートしてしばらくして試験官が助手席のブレーキペダルを思いっきり

踏み込み「はい、戻って。」と冷たい言葉!ああ、5000円が・・。転んでもタダで

起きるのは悔しいので「どこがいけなかったんですか?」と聞いたところ、ぎろりと

こちらを向いて「ここは試験場であって教習所じゃないんだから。合否の結果以外

お答えしませんよ。学科試験だっていちいち理由を教えないでしょ?」と言い放ち

ました。ちっ!確かに正論なので何も言えません。こりゃあー相当かかるかもと

このとき初めてこの試験の厳しさを思い知らされました。

 

2回目からは試験を受けるために朝5時半にはウチをでて、電車とバスを乗り継ぎ

7時半頃には免許センターに着くようにして早い順番で受験しました。何度かはすぐ

「はい、戻って。」と言われましたが、しばらくすると最後まで運転し終われるまでに

なりました。合否の結果は当日に比較的すぐに分かりました。

 

仮免の試験には何とか7回目で合格しました!続く学科は1発で取りましたが

路上での技能試験は他の受験生も同乗しての運転になり、結構緊張しました。

もちろん、他の人が運転するときにも後部座席で観察してイメトレに励みました。

実地試験免除の公認自動車教習所の技能試験がいかに甘いのかがわかり

大変後悔もしましたし、不安も募りました。もし受からなかったらどーしよー?

当たり前に道路を走っている車を運転している人はみんな合格者なんだと思うと

その当たり前のことに苦戦している自分はダメ人間?と悲観的にもなりました。

 

路上試験はコースを暗記して正しいルートを走らなければならないのですが何しろ

土地鑑がなく焦りました。あれ?ここはどこ?試験官の無言のプレッシャーも感じるし!

2回目、3回目、4回目と回数が増えるたび帰宅する足取りは重くなり、人生何も

かもが自分に噛み合っていないように思えて不幸の真っ只中!って感じでした。

 

8回目の受験でやっと合格をもらったときはすごくうれしかったー!よかったよー!

家に帰ってからひとりで踊って教習本を蹴飛ばしてやりました。その後の学科試験を

終えた帰りには、もう2度とこんなところへ来るか!へへーんだ!と強気でした。

 

ところが、牛乳配達の仕事をすることになったとき、宅配以外にスーパーやパン屋へ

卸すための配達にハイゼットを運転しなければならなくなりました。マニュアル車!

結局、今度は練馬自動車教習所へAT限定解除の教習に通うハメになりました。

住民票は埼玉のままだったので実地試験を受けるためまたも鴻巣の免許センターへ!

このときは4回目の受験で受かりましたが、もう何も言う元気はありませんでした。

 

 

こうして、普通に教習所に通う人が28万円くらいで、かつ、せいぜい半年くらいで

免許を取得するところ、私は50万円超、かつ、初めて教習所へ通ってから2年半の

月日をかけてマニュアル車を運転できる普通自動車免許を取ったのです。

つくづく、しなくても良い苦労と遠回りをしてしまったなーと思いますね。別にいいけど。

これが私の鴻巣運転免許センターに関するにっくき思い出です!お・わ・り!

運転免許センター③ AT限定解除の時の受験票!

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